高橋尚子と荒川静香
昨日は、久しぶりに暖かないい一日だった。女子マラソンがあって高橋が、だおぶ遅れてしまったらしい。最近の彼女の表情を見ているとなんとなく悲壮感がただよっているいように思う。荒川静香が金メダルをとった後にさった引退して、次にステップに進んでいるのと比べると対照的だ。彼女とは、競技の性質も違うので単純には比較できないが、それにしても二人の金メダル後の人生は、大きく異なっている。金メダルへの執着を手放した荒川静香が、見事としかいいよがないのかもしれない。彼女には、場を制する気力のようなものが会ったように思う。そして、やがてすべての者が負けてゆくということをはじめから知っていたような気がする。
勝ち組、負け組というとらえ方があるが、実に浅はかな考えとしかいいようがない。本来、だれも勝ち続ける者などいないということを日本人は、祇園精舎の昔から知っていたはずだからだ。いくらアメリカに戦争で負けたからと言って、そんな浅はかな考えまで取り入れてかってに悩むほどばからしいことはない。
100メートルの金メダリストだった。マリオン・ジョーンズも金メダルを剥奪されて刑務所に入れられるそうだ。結局、優勝したあの瞬間から負けていたことになる。自分自身が日々老化して消えてゆくこの世のなかで、唯一の勝者とは、釈迦や様々の聖者のように永遠の真理に到達した人だけだろう。もっともそうした意識に到達するということは、完全に私意識が消えた時だろうから、結局は、だれも勝者はいないということかもしれない。
昨日、見た「田舎に泊まろう」でダンテというアメリカ人の黒人の青年が、家を後にして歩いている時に号泣してしまっていたが、たぶんそれは、勝ち負けに関係なくだれにとっても温かいいっぱいのみそ汁のせいではなかかったかと思う。
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